くるみ工房での日々
新潟市北区濁川の工房で作品の制作をしています。
作品の分類としては、漆工芸になると思いますが、既存の漆工芸とは出発点がかなり違うため、作品を見ていただいた方がよく分かると思います。
作品を作るキッカケは、NHKの朝ドラ「あまちゃん」を見ていた時、久慈の琥珀の存在を知って、人の手で美しいものを樹液の中に閉じ込めることを思いつきました。
樹液であれば何でも良かったのですが、日本で樹液と言えば漆だと思います。
しかし、調べてみると本漆は扱いにくく、人によっては被れる事もあると分かり、いろいろ探した結果、仏壇や神輿に使用している樹液の存在を知って、チャレンジを開始しました。
最初の頃は、手当たり次第に閉じ込める事をしてみたのですが、何一つ上手く行きませんでした。
例えば、紅葉した葉っぱを閉じ込めましたが、紅葉のきれいな色が最終的に茶色になってしまったり、写真の中に樹液が染み込んでしまったりと何一つ上手く行きません・・・
(漆の伝統工芸では、塗った表面の技量を追求していますが、私の作品は塗りの価値を求めるのでは無く、樹液の中に閉じ込めた作品が価値なのです。)
それでも、物作りが好きだし楽しいので続けていると、ほんのちょっとずつですが、「行き先を光が導いてくれている」と感じられるようになって来ました。
私の知る限りでは、発想も目的地点も伝統工芸では無いので、教わる先生もいない代わりに想像が無限に広がって行く感じです。
最近やっと、写真や押し花それに自分で描いた絵を閉じ込める事ができ、作品依頼の方の要望で私には思い付かない様なデザインや用途を発見する毎日を送っています。
岩渕和彦

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加工はお好きな柄をご指定でき、お客様の思い出の品をお預かりしてリメイクすることも可能です。大切な方へのギフトとしても、ぜひご利用ください。和柄を用いたオリジナルの名刺の受注生産なども承ります。